上井草日記
かみいぐさの庭 その102020/05/20 Wed


撮影日:2020年4月24日
場所:瀬戸原緑地
瀬戸原緑地の林床(りんしょう)の様子。この地域の雑木林の樹種はほとんどがコナラです。
クヌギはごくわずかしかありません。
かみいぐさの庭 その92020/05/20 Wed


撮影日:2020年4月24日
場所:瀬戸原緑地
近郊農村当時の上井草は、薪の産地でもありました。瀬戸原緑地(写真)、どんぐり山公園、四宮公園などに残る雑木林は、その名残です。雑木林とは木の畑であり、15年ほどの周期で伐採され、薪にされました。
地中に残った根株からは複数本のひこばえが伸び、やがて「株立」の樹形となります。太くなった幹はまた伐採され、薪にされました。「萌芽更新」と呼ばれる雑木林のこの維持管理法は、全国のいわゆる「里山」で今日でも引き継がれています。
かみいぐさの庭 その82020/05/20 Wed


撮影日:2020年4月18日
場所:井草中学校北側
2008年、創立60周年を迎えた井草中学校が、校舎を建て直すことになりました。開校当時とは建築基準が変わったため、道路から大幅にセットバックすることに。
新たに生まれるスペースには、緑化された通学路を設ける計画が立ち上がりました。
この情報に接した私たち「まちづくり上井草」では、近郊農村時代の上井草が薪の産地だったことに因み、雑木の株立による植栽を提案しました。
教育委員会との話し合いを経て、実現したのが現在の緑道です。私たちは「井草中雑木みち」の愛称で呼んでいます。
かみいぐさの庭 その72020/05/19 Tue


撮影日:2020年4月14日
場所:genro&cafe(上井草2-38-11)
家付きに植えられた落葉樹は、春秋は美しい木漏れ日を、夏は涼しげな木陰を、冬はたっぷりの日差しを、約束してくれます。
写真左手に写っている芽吹きさなかの株立は、モミジです。
かみいぐさの庭 その62020/05/19 Tue


撮影日:2020年4月16日
場所:genr&cafe(上井草2−38-11・商店街東通り)
「まちづくり上井草」が結成されのは、この建物と植栽のつくる景観が、「杉並まちデザイン賞」を受賞したのがきっかけです(2006年)。
外部へ開かれた植栽は、雑木の「株立ち」のみで構成されています。「株立ち」とは、1つの根株から複数の幹が立ち上がっている樹形。一株植えれば、そこに小さな林が生まれます。近くにもう1株植えれば、連続性と、リズム感も。こうして建物と道路の間に植えることで、建物がやや奥まった印象も生まれます。
芽吹きさなかの中央シンボルツリーは、アオハダの雄株です。
かみいぐさの庭 その52020/05/18 Mon


撮影日:2020年4月14日
場所:上井草3丁目マンション(三菱レジデンス)
あえて建物の外周に雑木の株立によるオープンな植栽を設けることで、街を一つの庭のようにするという「かみいぐさ雑木みちプロジェクト」の目標が、みごとに具現化されました。
完成後も、「すかし剪定」により、抜けのある柔らかいみどりが維持されています。
かみいぐさの庭 その42020/05/18 Mon


撮影日:2020年4月14日
場所:上井草3丁目のマンション(三菱地所レジデンス)
60世帯が暮らすこのマンションでも、計画の段階でわたしたちまちづくり上井草にご相談がありました。
地元の人々が雑木の「株立」によるグリーンベルトづくりに取り組んでいるので、このマンションでもぜひ統一的な植栽を実現して、街並みとの連続性を大切にしたいとのことでした。
建築家・ランドスケープデザイナーの方と地域を歩いたり、ワークショップを開催するなどし、その様子を載せたパンフレットが作成されました。
かみいぐさの庭 その32020/05/17 Sun


撮影日:2020年4月14日
場所:上井草3丁目のマンション
このマンション建設の当時、デベロッパー(スターツ)のご担当者がgenro&cafeの植栽に注目され、植栽計画に関するご相談がありました。
予算の関係で、植え込み後の定期手入れの支援までは実現しませんでしたが、かみいぐさ雑木みちるロジェクトにそった内容の植栽が実現しました。
予想されたとおり、雑木にふさわしい剪定がその後行われなかったため、現在では残念ながらやや硬い印象の仕上がりになっています。
低木は平戸ツツジ。同じく白花の中木はミツバツツジです。
かみいぐさの庭 その22020/05/17 Sun


撮影日:2020年4月9日
場所:サンライズ社(商店街東通り)
木々が一斉に芽吹く中、低木のヒラドツツジが早くも見頃を迎えました。
この白い花は、かみいぐさ雑木みちプロジェクトの脇役としてお馴染みです。
低木には、
1雑木の姿を引き締める根占(ねじめ)の効果
2みどりのボリューム感を出す
3根元に踏み込まれて土が固くならないないようにする
などの役割が託されています。
白い花を選んだのは、街並みの色彩を整理するためです。派手な原色の花はそれ自体が主役になろうとします。色とりどりの街並みから、色彩の引き算をしようと考えました。
緑化とは、私たちの日常生活のいわば背景づくり。舞台の主役はあくまでも私たち住民であり、来街者です。
かみいぐさの庭 その12020/05/17 Sun


今年の「5月の庭」ミニイベントは、残念ながら中止となりました。
とはいえ、私たちまちづくり上井草は、この街全体が一つの庭のようになることを目指して来たはずです。
ミニイベントは中止になりましたが、実はこの街のいたるところに「5月の庭」は実在します。
そこでこの機会に、4月はじめにさかのぼって、撮りためた地域の写真をご紹介することにしました。
今年の東京の天候は、ほどよく雨も降り、晴天にも恵まれてきたので、上井草のみどりは例年にもまして美しいのではないでしょうか。