まちづくり上井草では、自発的な緑化のネットワーク
を通じた「まちなみづくり」「景観づくり」を目指す
『かみいぐさ雑木みちproject』を推進しています。

暮らしながらのまちづくり
「かみいぐさ雑木みちproject」は、雑木の株立ちによる植栽を道沿いに植えることによって、魅力的なまちなみづくりを目指しています。これは上井草地域の原風景を蘇らせるという歴史的な意味も持っています。
かつての上井草地域は江戸・東京市街という消費地の近郊農村として、藍・ウド・大根・麦の生産とともに薪の生産地でした。薪生産を目的に雑木林 =「木の畑」は10年から20年周期で伐採され、土中に残った根株からは複数のひこばえが成長します。雑木林特有のこの「株立ち」による景観は、生産の風景であり、生活の風景でもありました。この景観の美しさの発見者として知られるのが『武蔵野』の作者、国木田独歩や、『みみずのたはごと』で知られる徳富蘆花です。

上井草は武蔵野台地のほぼ中央を通る標高五十メートルの等高線上に位置しています。そのため坂の多い、起伏に富んだ地形を持っています。現在では傾斜地もブルドーザーを使って容易に宅地化されますが、古くはその大半は雑木林に当てられました。平地でも「山」とよばれた雑木林のうち崖線沿いの一部は宅地化をまぬがれ、現在まで生き延びました。
上井草の「どんぐり山公園」「瀬戸原公園」などのクヌギ、ナラ林はその例です。ただし伐採されずに久しいので、かつてのような若木ばかりの「萌芽林」としての景観は失われています。

上井草地域の道路は杉並区らしく升目に区画整理されていて、ある意味では美しいのですが、見方を変えれば、それは車社会のためのものであったともいえそうです。
「かみいぐさ雑木みちproject」が実現を目指す雑木みちは、多様な樹種による下枝豊かな「歩行者のための散歩道」です。並木を植える歩道スペースはもとよりありません。沿道の家庭の庭木がその代わりを果たします。陰影に富む魅力的なまちなみを作り出すには、表通り以上に裏通りを大切にすることが必要、かつ有効でもあるはずです。一部の生活道路には石畳を敷くことも視野に入れています。

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contents
- 1 キーワードは『株立ち』
- 2 雑木林の移り変わり
- 3 暮らしながらのまちづくり
- 4 はじめよう雑木の庭

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